HTML5は下位互換性を持っていますが、HTML4.01とXHTML1.0のすべての機能を引き継いでいるわけではありません。そのため、HTML4.01やXHTML1.0から移行するときに確認しておきたいのが、HTML5で廃止されたタグや属性の存在です。
HTML4.01やXHTML1.0は、右のようにStrict、Transitional、Framesetの3種類の規格にわかれています。このうち、HTML5が引き継いだのは主にStrictの機能となっており、Transitionalで非推奨とされた機能の多くや、Framesetのフレーム関連の機能は継承されず廃止となっています。
一方で、TransitionalまたはFramesetのみで利用可能だった<iframe>は、実際のWebページで広く利用されていることからHTML5に正式採用されています。
HTML4.01やXHTML1.0の文法に従い、非推奨とされた機能を利用していないWebページの多くは、コンテンツのマークアップを変更しなくてもHTML5に移行することが可能です。
たとえば、P11で用意したさんぷるの場合、<iframe>の利用などを考慮してXHTML1.0 Transitionalで作成してありますが、マークアップにはStrictの機能のみを使用しています。さらに、Strictの機能のうちHTML5で廃止された<acronym>と<bit>は使用していませんので、コンテンツ部分のマークアップを変更しなくても、HTML5に移行することができます。
なお、HTML5に移行してからであれば、バリデータ（文法チェッカー）を利用して廃止された機能を使用していないかどうかを確認することができます。